↑ 前田社長
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現代表者の前田基安さんは昭和18年、大阪市大正区生まれです。幼くして両親が相次いで他界、そうした事情もあって母方の郷里である山口県宇部市の祖母のもとに預けられ、学校を卒業するまでの間を過ごされました。学校を卒業後の昭和34年、山口から大阪に上阪し仕事を探すことになります。職業安定所で、「木材業者で仕事をしたい」との希望から就職先を探したところ、材木店を2件紹介されたそうです。その内の1件に就職することとなるわけですが、その会社は、現在も大阪木材仲買協同組合に前田木材さんと同じく組合員として所属されています。当時の前田社長は、その材木店に住み込みで木材業を修行、その間は他人(ひと)の2倍も3倍も一生懸命働きました。
「仕事は大変だったけど、苦労したと思ってはいない。店の片付け、清掃からはじめ、リヤカーの横付けで木材を配達していました」と前田社長。何と、人力で守口市から大正橋まで配達したこともあると笑顔で話されたのには驚きです!
その熱心な仕事ぶりや人柄に対して、当時の親方はとても愛情深く、目をかけてもらったと私たちに懐かしそうに語られました。
前田社長は中学生の頃から「いつかは自分で商売をやってみたい」との強い思いがありました。また就職後は、「同級生よりも早く社会に出たのだから、1日も早く仕事を覚えて一人前の社会人になるんだ。同級生が勉強してる間に、一歩も二歩も前を行くんだ。」との前向きな気持ちから、いつしか独立開業を志すこととなります。10年の丁稚奉公の後、昭和45年、時は大阪で万博が開催され、日本中が右肩上がりの好景気の中、創業されました。独立する際にも、当時の親方は、開業する土地を一緒に探しにいって下さったり、開業資金等色々と面倒を見て下さったと感謝の言葉とともに当時を振り返ります。
桔平もその師弟関係をとても羨ましく思い、聴き入っていました。 |