今月のあなたの街の材木屋さん

第76回:前田木材株式会社(枚方市茄子作東町)

皆さんこんにちは! あなたの街の材木屋さん 担当の桔平です。
今回は大阪府北河内に位置する枚方市にやってきました。枚方市は大阪市と京都市の中間地点として、かつてはベッドタウン化により人口が急増、小中学校の不足が深刻化し、当時は臨時のプレハブ校舎を造って対応していた程だといわれています。現在でも香里園や樟葉周辺では、大規模な分譲地の開発がなされ、将来にわたり住宅地として発展する可能性をまだまだ秘めています。

社屋外観
↑ 社屋外観
さて、今回の訪問先は枚方市茄子作東町の前田木材株式会社さんです。 応対して下さったのは社長の前田基安さんです。いつもならここで、会社の歴史からお話しするところですが、前田社長は創業者ということもあり、社長さんご本人のことも交えて進めることとします。

前田社長
↑ 前田社長

現代表者の前田基安さんは昭和18年、大阪市大正区生まれです。幼くして両親が相次いで他界、そうした事情もあって母方の郷里である山口県宇部市の祖母のもとに預けられ、学校を卒業するまでの間を過ごされました。学校を卒業後の昭和34年、山口から大阪に上阪し仕事を探すことになります。職業安定所で、「木材業者で仕事をしたい」との希望から就職先を探したところ、材木店を2件紹介されたそうです。その内の1件に就職することとなるわけですが、その会社は、現在も大阪木材仲買協同組合に前田木材さんと同じく組合員として所属されています。当時の前田社長は、その材木店に住み込みで木材業を修行、その間は他人(ひと)の2倍も3倍も一生懸命働きました。 「仕事は大変だったけど、苦労したと思ってはいない。店の片付け、清掃からはじめ、リヤカーの横付けで木材を配達していました」と前田社長。何と、人力で守口市から大正橋まで配達したこともあると笑顔で話されたのには驚きです!
その熱心な仕事ぶりや人柄に対して、当時の親方はとても愛情深く、目をかけてもらったと私たちに懐かしそうに語られました。
前田社長は中学生の頃から「いつかは自分で商売をやってみたい」との強い思いがありました。また就職後は、「同級生よりも早く社会に出たのだから、1日も早く仕事を覚えて一人前の社会人になるんだ。同級生が勉強してる間に、一歩も二歩も前を行くんだ。」との前向きな気持ちから、いつしか独立開業を志すこととなります。10年の丁稚奉公の後、昭和45年、時は大阪で万博が開催され、日本中が右肩上がりの好景気の中、創業されました。独立する際にも、当時の親方は、開業する土地を一緒に探しにいって下さったり、開業資金等色々と面倒を見て下さったと感謝の言葉とともに当時を振り返ります。 桔平もその師弟関係をとても羨ましく思い、聴き入っていました。

隣接の倉庫
↑ 隣接の倉庫

個人として創業の後、昭和45年〜63年頃は当時の好景気も手伝って、地元の入母屋の家の納材を専門に仕事はとぎれなくあったそうです。毎日、とても忙しく、「当時はトラック一杯に木材を積むと100万円位になった。今は10回積んでもそれぐらいになるかどうか・・・」と当時は1本100万円を超える床柱をはじめ、無垢の高級材が非常に良く売れたようです。
その中で順調に業績を伸ばしていき、昭和61年に個人から前田木材株式会社として法人に改組されました。
ところが、その後間もなく時代は平成に入るとともに、好況であった木材需要も陰りを見せ始め、前田木材さんもその影響を受けることとなります。この頃、時を同じくして木材業界にもプレカット流通が台頭すると、木の値打ちを見てもらいにくくなり、また折からの不況によるところもあり、開業当初と比べて木材の販売環境は悪化していきました。

事務所の様子
↑ 事務所の様子

このような状況を打破すべく、平成10年頃からコンピューターを導入、その後会社のホームページを立ち上げ、インターネットによる木材販売を始めることとなります。これは業界でもいち早くまさに業界においての画期的なビジネス事例であるといえます。前田社長個人の紹介が遅れました。趣味はゴルフ、マージャン、木彫りの一刀彫り、そして奥様との旅行だそうです。好きな言葉は「友愛」、お客さんが一番大切、仕入先も大切、そして自分自身も大切に、をモットーに日々仕事に精励されているとのことです。



スタジオで打ち合わせする前田社長
↑ スタジオで打ち合わせする前田社長

前田木材さんは、現在、河内地区近辺の工務店、建築会社に木材、新建材、住宅機器の販売、建築・リフォームを中心に、インターネットを活用し、全国各地の設計事務所、建築会社、工務店、一般消費者に床・壁・天井用ムク材の販売を行っています。
今後について「これからは官公庁・学校で木材をもっと使ってもらう方法を考えていかなければならない。異業種への進出ということも考えられるが、私たちはこれからも木材業者として、一般の方々に無垢の木の良さを訴える努力をしていきますよ」と前田社長。

前田木材さんでは、本社敷地内に無垢フローリング・無垢羽目板を実際に見て・触れて・感じることができる無垢材スタジオを併設しています。フローリング約60種類、羽目板約20種類の現物見本をご覧いただけます。
平成22年5月には、本社社屋3階に、国産材に絞ってフローリング・羽目板18樹種、その他も全て国産無垢材で仕上げた国産無垢材専門のショールーム『和 nagomi』を開設しました。国産材・無垢材の販売から、新築・リフォーム・建替え等幅広いニーズに対応しています。詳しくは同社ホームページ(http://www.maedamokuzai.com/)をご覧の上、お近くへお越しの際には、どうぞショールームまでお立ち寄り下さい。
また、マンション用遮音・防音マット“MT-0003”を開発。公的機関、(財)日本建築総合試験所で△LL(T)−4(旧LL:45)の性能を証明しました。<※△値(旧L値)は推定値。保証値ではありません。>  現在特許出願中です。



前田社長、長時間にわたる取材、誠にありがとうございました。

前田木材株式会社

〒573-0082
枚方市茄子作東町41−1
TEL 072-854-0110
FAX 072-853-3319

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