今月のあなたの街の材木屋さん

第59回:土井住宅産業株式会社(高槻市真上町)

こんにちは!三平です。

今回は高槻市真上町1-13-3の土井住宅産業株式会社さんを訪問しました。応対して下さったのは社長の土井文男さんです。
戦後高槻は大阪のベッドタウンとして発展してきたのは皆さんよくご存知だと思います。大阪船場育ちの三平が抱く高槻という町・地域のイメージもやはり「住宅地」だったんです。もちろん今でも住宅地ではあるのですが、インタビューの時に土井社長から頂いた「北摂歴史散歩(横山高治著)」を読んで高槻のイメージが「文化薫る・歴史の町」に一変しました。付近には6世紀初頭の継体天皇陵とささやかれる「今城塚」や藤原鎌足の墓とされる阿武山古墳、平安の歌人で36歌仙のひとり伊勢姫を祀る伊勢寺、戦国時代に下克上の典型とされた三好長慶の芥川城などなど枚挙に暇がなく、歴史好きの三平にはたまらない魅力ある町だったんです。
例によって前置きが長くなりましたが本題に入ります。

本社
↑ 本社
土井住宅産業(株)さんの創業は明治5年、今から140年ほど昔のことです。現在の高槻市原というところで創業されました。創業者は土井庄蔵さん、山林業と寒天の製造をされていたそうです。寒天はいまでも高槻の特産品だそうです。2代清次郎さん、三代市松さん、四代文次郎さん、5代が現社長の父上に当たる正男さん(大正7年生まれ)で文男社長は6代目です。「代々高槻の土着です」と土井社長。

昭和27年に法人改組して土井木材(株)を設立、土井正男氏が社長に就任。同30年に現在の真上町に本社移転、同47年には創業100周年記念式典を開催され社屋を新築されました。「そのころまでは典型的な仲買さんでしたよ」と土井社長はその後の同社の変貌を示唆されました。

土井社長
↑ 土井社長

土井文男社長は昭和22年生まれ。府立茨木高校から慶応大学商学部に進まれた「慶応ボーイ」。高校時代から水球に親しまれたスポーツマンで茨木高校は全国的にも有名な水球の伝統校だったそうです。土井社長は高校2年、3年のときインターハイと国体に出場されました。「水球がやりたかったから慶応に行った」と話されましたが、勉強が出来ないと慶応には入れませんよね。
卒業当時は大阪万博(昭和45年)で家業の材木屋は大忙しの時。父から早く帰って来い、手伝ってくれのコールばかり。小さい頃から「お前は材木屋の跡取りや材木屋の跡取りや」と洗脳され続けていた。大学の友人たちは大手企業に就職するというのに、洗脳教育の成果でしょうね、卒業してすぐに家業に就きました、と土井社長。

本社向いのリファイン
↑ 本社向いのリファイン

「昭和47年がターニングポイントだった」と土井社長。丁度創業100周年の時、大学を卒業して2年目です。当時としては画期的な現金取引の商売をスタートされたのです。「北摂木材スーパー(高槻市玉川)」設立。ベニヤ、新建材等を配達なしで現金で販売する。ダイレクトメールを打ち、商品はすべて価格表示付き。「昭和49年から20年近く自分が店長になって陣頭指揮をとった。順調に運びすぎて次の出展が遅れたが平成16年に木材・建材・住器スーパー2号店・北摂伊丹店を出展した」と同社長。さらに平成20年12月には木材・建材・住器スーパー3号店「北摂伏見店」を京都に開設されました。

事務所内
↑ 事務所内

社名変更の理由を伺いました。卒業した昭和45年当時は高度成長の時代でその頃から「会社を大きくしたい」との思いが強かった。20名強の社員、製材機もある。が、若者にアピールするには木材業ではインパクトは弱く、3Kのイメージが強すぎた。これからは木材流通だけではなく住宅設備機器、もっと言えば住宅そのもので店を大きくしたかったのです。
先代と大きく違う点は「20年以上前から主だった社員に月次決算を開示していることです」と話され「家業から企業に脱皮したい。会社の方向性を社員に示すことができなくなれば社長は交替したほうが良い」と土井社長は持論を話されました。


北摂 伊丹店
↑ 北摂 伊丹店

同社は、水廻り商品の拡販を目的として昭和59年に「キッチンプラザ高槻」をオープン。システムキッチンをメインアイテムに施工付で取り組まれたのです。「その当時からリフォームも眼中にあった。業界の中ではかなり早かったと思う」。そのキッチンプラザを昭和63年に「リファイン土井 高槻」に改称しました。松下電工(現パナソニック電工)と組み、キッチンから本格的にリフォーム・新築住宅(現在までの実績は34棟)市場に参入したのです。お客様は一般ユーザーです。チラシも撒くがリピーターの紹介が非常に多い。
また、北摂店では1800軒の顧客リストがあり、展示会(年5回、DM4500通)と謝恩セールはいつも超満員になる。何十年と続いていることだが、イベントの前週は午後6時から8時まで女子社員が電話で呼びかける。DMだけでは絶対にお客さんは来ない。

整頓された倉庫内
↑ 整頓された倉庫内

苦労話を伺いました。
仕事に楽はない。目標があったからしんどくても頑張ってこれた。暇な時、仕事のない時が一番辛い。そんな時は当たり前だが掃除を徹底してやった。ゴミとか残材の処分には結構うるさいんですよ。40年間で2回ほどあったかな、暇な時が。倉庫内を見学しましたが、それはそれは綺麗に整頓されています。感心しました。
次に、木について伺いました。
木に惚れている。木が大好きや。あくまでも国産材にこだわっておりその在庫(種類含む)はトップクラスやと思う。岡山方面の市場にも自分で買いに行く。新築・リフォームでは木を活かした仕事、木の良さを伝える事が出来る仕事をしたい。今なら比較的安く出来るし。

今後の展望は・・・
社員も40名になった。木材・スーパーに続く3本目の柱として住宅・リフォーム事業を確立したい。リフォーム市場の商圏は狭く、新築市場向けに「テクノホーム箕面」を平成20年9月に開設した。過去営業赤字は一度もない。副業も一切しない、木材オンリーです。社員には「顧客満足度を高める努力をせよ!」と常に話している。

趣味はラグビー観戦とゴルフ。小学校、中学校時代はマラソンのトップランナーだったそうです。木材業界の中小企業について「30代、40代の息子が元気で頑張っている会社が伸びる」と。

土井社長、長時間ありがとうございました。いつか、高槻界隈を夫婦で散策したいものです。

土井住宅産業株式会社

〒569-1121
高槻市真上町1−13−3
TEL 072-685-0181
FAX 072-681-1367


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