今月のあなたの街の材木屋さん

第54回:雪本木材産業株式会社(岸和田市磯上町)

こんにちは!三平です。

今回の材木屋さんは岸和田市磯上町1-11-14の雪本木材産業(株)さんです。岸和田といっても材木屋さんの多い木材コンビナートではありません。岸和田の海を埋め立てる前から存在する由緒正しい旧市街です。最寄の駅は南海本線春木駅です。
応対して下さったのは会長の雪本政通さんと社長の雪本誠道さんです。親子とは言え名前の字面が非常によく似ていますね。会長は「まさみち」さん、社長は「せいどう」さんと読みます。雪本と言う苗字、字は簡単ですがあまり見かけません。車で訪問したのですが付近には矢鱈と雪本姓が目立ちます。「近所の雪本は親戚でもなんでもないが雪本という姓はこの辺だけや。紀州の根来衆の末裔だと伝わっているが・・・」は会長さんの説明。第一部は雪本会長からスタートします。

外観
↑ 外観
まず同社のルーツを伺いました。創業者は会長の父の政一さん。「父は農業を営む大地主だったが請負師もやっていた。大きな寺や『しころの家』を請け負い、それを大工や左官に発注していた。今のゼネコンと同じや。建築、材木関係と強いつながりがあったと思う」。「しころ」という難しい用語が出てきました。木材業界に身を置いて久しい三平も「しころ」の言葉だけは知っていましたが、本当の意味は分かりません。ネットで知らべてもあまり載っていません。類推するに重厚な屋根を有する建物の一種で、そのため梁や柱が既製品とは比較にならないほど太く丈夫なものを使用している建物のようです。泉州地方に多く見られる伝統的な建物です。泉州地方には有名な「だんじり祭り」があり、冠婚葬祭を含め独特の文化・風習が根付いています。


↑ 木曽ヒノキの腰壁とケヤキで施工した門

話を続けます。同社は昭和24年4月岸和田春木の地で創業しました。昭和25年のジェーン台風や昭 和36年の第2室戸台風の時には木材が良く売れたそうです。復興需要が追い風になるという話はいろんな材木屋さんからよく聞きます。雪本会長は昭和15年生まれ。中学時代から家業を手伝い、大学卒業後は大阪の鉄関係の会社で8年間勤務されたそうです。社長になったのが33歳。この33がキーワードになります。その意味は後ほど紹介します。木曽ヒノキの腰壁とケヤキで施工した門

事務所
↑ 事務所

同社は、一般建築材を創業以来一貫して大工・工務店さんに販売している典型的な仲買さんです。「地元密着型に徹し、継続は力なりを信じてやってきた。その間、銀行・お寺・ライオンズクラブ等で若くしていろんな役職につき先輩方に交じって勉強してきた。特に銀行の役員歴は33年に及びます」と雪本会長は振り返る。因みに現在(平成20年12月時点)雪本会長は大阪木材仲買協組の副理事長の要職にあります。「バブル期には建売業者に納材して量的に拡大したがバブル崩壊後は落ち込み、心機一転して得意先の新規開拓に着手した。大工・工務店も世代交代し大きく変ったからね。今、本当の工務店が本当の家を建てていないのが残念だ。でも社長を息子に譲ってから得意先が倍増したよ」。そろそろ現社長、雪本誠道さんの出番です。では第2部をスタートします。

雪本社長
↑ 雪本社長

誠道社長は昭和40年生まれ。岸和田高校から甲南大学経営学部に進み卒業後はイトマンハウジングに3年、大建工業に7年勤務されました。33歳のとき父上に呼び戻されたそうです。戻りたくなかったが親父が「33歳で自分は社長になったから」と強く言われたそうです。先ほど述べた33歳がキーポイントだという理由がお分かりですね。「時代の流れは速い。バトンタッチは早い方が良い」というのが会長の持論。誠道さんは40歳で社長に就任しました。

倉庫
↑ 倉庫

この業界は古い。システムも旧態依然としている。その中でやらんといかん。仕事は単純だがその分難しい。木材中心から新建材や水廻りに注力、リフォームにも着手した。毎日、得意先に顔を出している。新規開拓も毎日やっている。とにかくマメに回ることが一番大切やと思っている。岸和田は木材・建材の激戦区である。他と同じことをやっていたのでは負ける。見積もり、墨だし、施工まで全て自社でできる。屋根の張替え、壁の塗り替えも全部やる。当社は材木屋のイメージが強すぎてリフォームとか建材を扱っているとは思ってくれない。そのイメージを払拭するため毎日営業に走り回っている。営業オンチだった従来の材木屋さんとは大違いですね。雪本社長は建材商社の営業マンとして培ったノウハウを経営者として活かしています。

会長自宅「しころの家」
↑ 会長自宅「しころの家」

趣味を伺いました。仕事は比較的好きです。営業にかかわる事ならなんでもやる。ゴルフでも麻雀でもお酒でも。これが大建の教えやった。でも、旅行は割り切って行く。これが唯一の息抜きかな。

一般の方にひと言お願いしました。「迅速・丁寧をモットーに、水廻りからエレベーターまで、各種見積、住いに関するご相談ならなんでもお受けします。敷居の低い会社です、お気軽に立ち寄りください。」

雪本会長、雪本社長、長時間ありがとうございました。帰り際には雪本会長がご自宅を案内してくださいました。本物の「しころの家」でした。

雪本木材産業株式会社

〒596-0001
岸和田市磯上町1−11−14
TEL  072-439-2456
FAX 072-422-2406


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