今月のあなたの街の材木屋さん

第17回 :株式会社江南商店(大阪市城東区)

こんにちは三平です。
私がこのコーナーを担当してもう6回目になります。たった6件ですが、材木屋さんと言ってもいろんな商売の形があるのに気付きました。素人考えでは木材を販売している会社は材木屋さんだと思うのですが、今回は少しニュアンスが違いました。


江南商店
↑ 江南商店
今回お邪魔したのは株式会社江南(えなみ)商店さんです。こちらの江南宏一社長さんのお話は「大工・工務店さんはうちを材木屋だと認めてくれないのです」からはじまりました。「裏の倉庫には木材があるのに不思議な話ですね」と疑問を持ちかけると「木材といっても野材(のざい)しか置いてないから」との返答でした。野材とは聞きなれない言葉です。詳しく聞いてみると、下地材の総称で、寸三(すんさん、35ミリ角)、寸五(すんご、45ミリ角)、胴縁(どうぶち、壁の下地材、16×40ミリ)、桟木(さんぎ、コンパネの仮枠、60×27ミリ)などのことだそうです。本来材木屋は柱角や土台角(構造材)や銘木などの内装化粧材を置いてこそ「材木屋」と呼べるのだそうです。それでも一般の人にとって江南商店さんは材木屋さんだと思うのですが。

江南社長
↑ 江南社長
前置きばかり長くなりましたが、江南商店さんは大阪市城東区今福西2丁目、蒲生4丁目の交差点から鶴見通りを東に4ブロック進んだ今福西の信号のところ(東南角)にあります。創業は昭和2年、福芳商店という屋号で現社長の祖父の長兄(中島芳太郎さん)が今の場所のはす向かい(南野病院あたり)で誕生しました。当初は材木屋兼工務店だったそうで、「大阪長屋」を今福、蒲生方面で建てていたそうです。いま結構ブームになっている大阪の長屋ではなく「大阪長屋」です。江南社長はあそこに見える4軒長屋のことですよ、と道路の向こう側を指差しました。そこにはかつて同社が建てた大阪長屋がいまでもちゃんと残っていたのです。

西側から撮影
↑ 西側から撮影

昭和14年に江南材木店に商号変更。戦争、木材統制時代を経て昭和22年に商売を再開、同37年に法人改組しました。宏一氏は平成5年6月に61歳で亡くなった父上(江南務さん)の後継者として社長に就任、現在に至っております。商売の中身は大工・工務店さんへの木材販売(野材、ベニヤ、建材類)が40%、50%は官公庁への納品だそうです。「木へんはもちろん、金へん、石へん、なんでもやってます。同業界の異業種を扱っているのです」と江南社長。同社は大阪市の入札指名登録業者で、公園・学校・土木・下水道局を主たる得意先に建設土木資材全般を販売し100万円未満の小規模施工までおこなっています。


道路からお店を眺めると「ハンズエナミ」の看板が目立ちます。頂いた名刺には各種営繕材料・建築材料、工具・金物販売及び施工と書かれています。店内はまるでホームセンター、名刺に書かれている内容の商品がところ狭しと陳列されています。だいたい5000品目、すべて覚えているとのこと、感心しました。商品の60%はプロ用。ホームセンターの存在はあまり気にならないが最近コーナンあたりも「プロ向け」にシフトしだした、これは脅威です、と話してくださいました。取材中も電話がしきりに鳴り続けます。1名の社員さんとお母さん、それに妹さんの4人体制でお店が動いています。一般の方はもちろん大歓迎だそうです。
価格もきっちり表示。
↑ 価格もきっちり表示。
いろんな木材があります。
↑ いろんな木材があります。
プロ用に取り揃えています。
↑ プロ用に取り揃えています。
加工機
↑ 加工機

江南社長は車が好きなアウトドアー派。夏は海に潜り、冬はスキーに興ずる。お酒は趣味と言われるほど大好きだそうで焼酎党。宮崎産とうもろこし焼酎「刈干(かりぼし)」が一押しだそうです。

江南社長さん、ご協力ありがとうござました。



株式会社江南商店

〒536-0004
大阪市城東区今福西2−12−4


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