今月のあなたの街の材木屋さん

第15回 :若宮住宅資材株式会社(大阪市東住吉区)

こんにちは三平です。
最近世の中変ですね。まるで神の怒りに触れたかのように頻繁に襲ってくる台風、地震、津波、そして人災としか思えないJRの列車事故など。私は地球上で一番恐ろしい災害は旧約聖書の「ノアの方舟」でも有名な台風や集中豪雨などによる水害だと思っています。


玄関の三本の植栽が会社のロゴマーク。
↑ 玄関の三本の植栽が会社のロゴマーク。

今回お邪魔した若宮住宅資材鰍フ櫻井嘉二社長さんのお話はその「水害との闘い」から始まりました。同社は大阪市東住吉区中野4丁目にあります。大阪でも上町台地の西方(昔は低地だった)に住む人間にはその辺りはなんとなく「水害・洪水」とは無縁の地だと想像しがちですが、実際は上町台地と生駒山に挟まれた低い土地柄なのです。ご子息の櫻井直樹専務とお二人で倉庫や作業場を案内してくださったのですが、その都度「木材や建材類が水に濡れないように苦労しましたよ」の言葉が発せられたのです。「誰も信じてくれないのですが」と前置きしながら「このあたりだけなんです。1時間の雨で大洪水になったこともあります。新聞社が信用しなくて確認に来たこともありました」と櫻井社長。その洪水も「なにわ大放水路」の完成でほとんどなくなったそうです。
※ なにわ大放水路=大阪市が約980億円かけた大工事。平野区から長居公園通、住之江通、住之江抽水所に至る総延長約12.2キロの大下水道管線、平成12年4月に完成した。


櫻井嘉二社長
↑ 櫻井嘉二社長

長くなりましたが本題に移ります。
若宮住宅資材粥N井嘉二社長は昭和11年11月27日生まれ(松下幸之助さんと同じです)、大阪浪速区で木材の修業後昭和36年11月、当地で独立しました。「最初はバラックで四畳半、一般材、箱板、なんでもやりました。そのころ店の前(現在は道路)には川が流れ、近くには南海平野線のチンチン電車が走っていました。腹がたったのは電話です。会社の前に電線があるのに開設するまで1年半もかかった。当時のヤミ電話は60万円ほどしていました」と当時を振り返ってくださいました。因みに櫻井社長は奈良県五条市出身、会社名「若宮」の由来は本家の屋号が「若宮」だったそうです。


なんでも売ってますよ、と直樹専務。
↑ なんでも売ってますよ、と直樹専務。

専務の櫻井直樹さんは昭和38年生まれの41歳。同志社大学経済学部を卒業して大建工業鰍ナ4年間(東京勤務)勤めたあと家業に入りました。同社は平成8年に法人改組。「若宮住宅資材」と社名を変えたおかげで「なんでも扱えるようになったしお客さんもその気で買いに来る」と櫻井社長。木材、新建材、住宅機器、エアコン、給湯器、空気清浄機から金属製の下地材まで「なんでもありますよ」と笑いながら話してくださいました。取材に伺った私も「電池不要の懐中電灯。これは便利だ、電池で悩まなくでもいい」と思わず買ってしまいました。この懐中電灯は町内会でも大人気、3ヶ月で70台も売れたそうです。とにかく、仕入先(商社や金物屋さん等)は変わった便利なヒット商品ならなんでも持ってくるのだそうです。


倉庫の内部
↑ 倉庫の内部

温厚で背筋を真っ直ぐに伸ばして応対される櫻井社長。同社がモットーとする「誠実」は社長さんの真面目な人柄そのものです。マンション用の木材などは現場での加工スペースが狭いので大工・工務店さんに「即納できる体制にしよう」と倉庫内に加工機を設置したそうです。実際は社長さんの機械好きが高じて「ほとんど社長の趣味ですわ」と専務さん。でも「ホームセンターのコーナンでもベニヤを切り売りしている。ウチもやらんとあかん」というのが真相のようです。


1階の加工場
↑ 1階の加工場

一般のお客さんも始終来店されるそうです。『あなたの街の材木屋、何でも揃う便利なお店です。お気軽にお立ち寄りください。大歓迎します』と櫻井親子。


若宮のロゴ
↑ 若宮のロゴ

最後に同社の「ロゴマーク」について。玄関に三本の木が植栽されています。三本の矢、三本の木、三軒の家を意味し「お客さん・仕入先・そして自分たちの三者が共存共栄できますように」との願いが込められているそうです。近江商人の経営哲学「三方良し」の精神にあい通じますね。


櫻井嘉二社長、直樹専務さん、ご協力ありがとうございました。また、おもしろい商品がございましたらご一報ください。


若宮住宅資材株式会社

〒546-0012
大阪市東住吉区中野4-7-15
TEL 06-6702-7669
FAX 
06-6703-0812

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