トピックス
第102回:㈱山王(大阪市住之江区北加賀屋2)(2012.12.14更新)
今回の取材先は、広葉樹を専門に取り扱う材木屋さんです。
一般的に、建築用材として用いられる木材は、スギ・ヒノキ・マツなどの針葉樹が主に取り扱われていることは皆さんもご存知のことかと思います。
広葉樹は、その針葉樹との対比で、雑木(ぞうき、ざつぼく)とも呼ばれています。
人の手によって植林、管理されたヒノキやスギといった建築材料としての利用機会や利用価値の高い針葉樹を中心とした樹木に対して、それ以外の雑多な樹木を指すそうです。ですから、雑木により構成された林を雑木林と呼びます。日本の雑木の多くは落葉するクヌギやコナラなどを主とした広葉樹からなり、多くは幹がまっすぐではなく、曲がっておりかつ枝分かれが多いという特徴があります。このため、古来より建築の主材料としては使用される機会は少なく、そのため雑木と呼び習わされてきました。腐りにくいクリなどは基礎材として使用されることはあり、その他の雑木も適材適所に建築材料として利用されるものの、構造材としてはヒノキ、スギなどの針葉樹が使用されるのが一般的で、使用量でははるかに及びません。
雑木と呼ばれる一方、広葉樹には、ケヤキやナラ、タモといった高級家具に用いられる樹種もありますので、この呼称が適切かどうか私自身は疑問に思います。
平林倉庫外観(大阪市住之江区平林北) |
西区の組合事務所からは、地下鉄などを利用して30分足らずで今回の取材先に到着しました。お話をお伺いしたのは、社長の岡田日出男さんと製品営業本部部長の角谷浩司さんです。それでは、早速、会社の歴史から順にご紹介いたします。
山王さんの会社のルーツは、昭和21年11月の山王木材株式会社(社長・太田欽一氏、専務・岡田勝利氏(現社長の父))の創立に遡ります。創立以来、現在に至るまで、広葉樹をメインに取り扱う材木屋さんとして業界内でもよく知られていますが、当時は、北海道産の広葉樹(タモ・ナラ・カツラ・カバ等)の原木・製品を家具及び建築関係用材として販売する木材業者でした。
昭和33年には、今では珍しくなくなった新建材の将来性にいち早く着目し、建材部を設置するとともに、40年頃からは、南洋材(ラワン)の原木の取扱いを開始するようになりました。
岡田社長(左)と角谷部長(右) |
昭和45年に岡田勝利氏が二代目社長に就任した後、昭和40〜60年代は、資本金を増資し、西日本を中心に支店・営業所を各地に展開するなど会社の発展が続いた時期でした。昭和59年には、岡田充弘氏(現社長の兄)が、3代目社長に就任され、その後、時代が平成に入ると、平成12年には山王木材㈱から現社名の㈱山王に組織変更しました。その2年後の平成14年には、現社長の岡田日出男氏が社長に就任され、現在に至ります。
それでは、ここで現社長個人についてのお話に移ります。
現社長の岡田日出男さんは、昭和18年、大阪市大正区生まれの住吉区育ちです。地元の小中学校、堺の府立鳳高校を経て、関西学院大学に入学。卒業後、山王木材㈱(当時)に入社されました。趣味は学生時代に山岳部であったことから、山歩きです。また、大阪木材界の青年経営者の団体である大阪木材青年経営者協議会の会長をかつて務められた経験もお持ちで、業界内においても顔が広いことで知られています。
イエローポプラ | ブラックウォールナット |
昭和21年の創立以来、「広葉樹の山王」として認められる存在となった山王さんですが、その間、原木から製材品、最近では一部完成品と姿は変わっても扱う商品の中心が広葉樹であることは変わりありません。
長い社歴の中で海外の有力な生産者との提携も整い、山王さんは広葉樹のオンリーワン企業を目指しておられます。現在、主に取扱いのある北米広葉樹は、生産者が永続的に生産可能な手法を採用し、人間に優しい木材を地球にも優しい方法で生産されておられます。
ブラジル産イペ材 |
「北米産広葉樹」(イエローポプラ、ホワイトアッシュ等)の取扱高において、日本で有数の輸入業者でありながらも、永年、培ってきた経験を生かし、品質・安全性を追求し、さらにグリーン購入法にも適合した、環境保全に配慮した材を積極的に取り扱うなど、環境問題についても関心を常に持ち続けています。取扱商品の品質の高さはもちろん、地球環境にも配慮することが、これからの企業の社会的責任とする考え方を示されています。
今後について、既に、大手住宅メーカーや家具メーカーといった安定した販売先をお持ちの山王さんですが、岡田社長によると、これからは、販売先を西日本にとどまらず、関東地方、とくに東京方面までマーケットを開拓していきたいとのことでした。
最後に会社のPRです。
これまで、広葉樹にこだわり、広葉樹の良さを一番知っている会社であると自負しています。取扱商品は、北米産広葉樹・ヨーロッパ材・中国材・南洋材・その他広葉樹全般、そして住宅輸入建材・各種合板・住宅資材等で、カット加工も致します。
商品は、日本の風土に合わすため、一定期間桟積み養生し日本国内自社工場での一貫生産で多種多様なニーズに対応させていただきます。
詳しくは同社ホームページ(http://www.sannoj.co.jp/)をご覧下さい。
少量のご注文でも対応可能です。また、各種無垢フローリングも取り揃えております。
広葉樹のことなら、どんなことでも一度ご相談下さい。
岡田社長、角谷部長、長時間の取材にご協力いただき、誠に有難うございました。(2012.12.14更新)
株式会社山王 〒559-0011 大阪市住之江区北加賀屋2-11-8-201 TEL 06-6681-2321 FAX 06-6681-5013 →会社の詳しい情報はこちら →HPはこちら |