施工の動機
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若い施主夫婦の希望は、田舎のおばあちゃんの家だった。私自身田舎の伝統的な農家型民家で育った事もあり、その言葉に強い興味を持った。
家の中に廊下はなく、障子といった間仕切で区切ることにより、その必要に応じたスペースの使い方が可能であったり、家を支えている柱や梁をそのまま表し、木が持っている力強さであったり、温もりややさしさといった表情を常に感じ取る事ができた。家のまわりで土いじりをし、作業に疲れたら家の中まで上らなくでも、土間や縁側で土足のままで休憩できた。又、そこが近所の人とのコミュニケーションの場所でもあった。
そんな民家型生活スタイルを望む施主の年齢とのギャップにも驚かされたが、その考え方には共感できる事がたくさんあった。いつしか民家型生活スタイルの考え方を持ちながら、現代の快適性もあわせもつ「これからのおばあちゃんの家」を目指すようになっていった。
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リビング
床・天井は杉無垢材の表わしとし、扉は全て木製の引戸とした。中央に掘りごたつを設け、畳部分には収納スペースを確保した。また、階段下の床板も取りはずせるようになっており、ここにも収納スペースがある。
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