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キッチン・パウダールーム・バスルームをひとまとめにした「木の箱」。 |
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設計のポイント
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太陽を背にして本を収納するために、南側の窓まわりに本棚をつくる。こうすれば壁面を利用するのでスペース効率もよく、何がどこにあるかが一目瞭然です。さらに棚が窓枠も兼ねているので、見た目にもすっきり。そこに紙貼り障子をはめ込んで、やわらかな明りを添えました。半透明のアコーディオン・カーテンや、乳白色ガラスのドアも同質の風合いをかもし出し、それらが呼応しあうことで空間全体の緊張感を和らげる効果を狙いました。床と天井にはサクラのフローリング、壁にはシナベニア、一部アクセントとして調湿性のある素材を使用。キッチン・パウダールーム・バスルーム・レストルームも共通のテイストでまとめました。全体を通して「ほっ」とするような明るい空間。そこはまるで外の喧騒から隔絶されたライブラリーのようです。
パッと見シンプルですが、そのように見せるのに手間の掛かった部分が非常に多く、正直なところ仕上がりと予算の調整に四苦八苦しました。しかし結果的に質感の高い作品ができ、それだけの価値はあったと考えています。ただ単に「木を使えばいい」というわけではなく、「木を使ってどのような空間をつくるのか」が大切なのだということを考えさせられた現場でした。 |
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